社長個人の資産

【社長個人の資産形成戦略④】社長の資産を「守りながら増やす」!不動産投資の基礎と経営者が押さえるべき注意点

「最近、周りの経営者仲間で不動産投資を始めた人が増えてきたな…」
「会社の節税や個人の資産形成に、不動産投資って本当に有効なんだろうか?」

中小企業の社長様にとって、「不動産」は非常に身近な存在でありながら、いざ「投資」となると、少しハードルが高く感じるかもしれません。しかし、適切に活用すれば、不動産投資は社長個人の資産形成はもちろん、会社の財務戦略においても大きな武器となり得る可能性を秘めています。

「なんとなく儲かりそうだけど、リスクも大きそう…」
「どんな物件を選べばいいのか、さっぱり分からない…」

そんな風に感じている社長様も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、「総合資産戦略」の視点から、社長が知っておくべき「不動産投資の基礎知識」と、特に経営者だからこそ注意したいポイントについて、分かりやすく解説します。

この記事を読めば、不動産投資に対する漠然とした不安が解消され、「うちの会社や自分にも、こんな活用の仕方があるのかも!」と、新たな可能性に気づいていただけるはずです。

なぜ社長に「不動産投資」が注目されるのか?~3つの魅力~

数ある投資対象の中で、なぜ特に不動産投資が経営者に注目されるのでしょうか? それには、主に3つの魅力があると考えられます。

  • 魅力1:安定的な「インカムゲイン(家賃収入)」が期待できる
    不動産投資の基本は、所有する物件を賃貸に出し、継続的に家賃収入を得ることです。株式投資のように日々の値動きに一喜一憂することなく、比較的安定したキャッシュフローを生み出す可能性があります。これは、社長個人の第二の収入源として、また会社の収益の柱の一つとしても魅力的です。
  • 魅力2:インフレに強く、資産価値が「守られる」可能性がある
    一般的に、インフレ(物価上昇)が起こると、現金の価値は目減りしますが、不動産の価値や家賃は上昇する傾向があります。つまり、不動産はインフレヘッジとして機能し、大切な資産をインフレリスクから守る効果が期待できるのです。
  • 魅力3:レバレッジ効果で「効率的な資産形成」が目指せる
    不動産投資では、金融機関からの融資を活用して、自己資金以上の規模の物件を購入することが可能です。これを「レバレッジ効果」と呼びます。少ない自己資金で大きなリターンを狙えるため、効率的な資産形成の手段となり得ます。(ただし、リスクも伴いますので注意が必要です。)

これらの魅力に加えて、減価償却費の計上による節税効果(特に個人の所得税対策や会社の法人税対策)も、経営者が不動産投資に関心を持つ大きな理由の一つと言えるでしょう。

不動産投資の「キホンのキ」~これだけは押さえておこう!~

不動産投資と一口に言っても、様々な種類や手法があります。まずは基本的な知識を押さえておきましょう。

  1. 主な不動産投資の種類:
    • 区分マンション投資: マンションの一室を購入して賃貸する。比較的少額から始めやすい。
    • 一棟アパート・マンション投資: 建物一棟を購入して賃貸する。規模が大きく、管理の手間も増えるが、リターンも大きくなる可能性がある。
    • 戸建て賃貸投資: 一戸建ての住宅を購入して賃貸する。
    • 駐車場経営: 土地を活用して駐車場として貸し出す。建物投資に比べて初期費用が抑えられる場合がある。
    • リート(REIT:不動産投資信託): 不動産に直接投資するのではなく、不動産投資法人が運用する投資信託を通じて間接的に投資する。少額から分散投資が可能。
  2. 収益の源泉:
    • インカムゲイン: 家賃収入。不動産投資の主な収益源。
    • キャピタルゲイン: 不動産を売却した際の売却益。
  3. 主な経費:
    • 購入時: 物件価格、仲介手数料、登記費用、不動産取得税、ローン手数料など。
    • 使用中: 管理費、修繕積立金、固定資産税・都市計画税、火災保険料、ローン返済、入居者募集費用、原状回復費用など。
    • 売却時: 仲介手数料、譲渡所得税など。

これらの基礎知識を理解した上で、ご自身の目的やリスク許容度、資金力に合った投資対象や手法を選ぶことが重要です。

社長が不動産投資で「失敗しない」ための重要注意点!

不動産投資は魅力的な反面、様々なリスクも伴います。特に経営者の皆様には、以下の点に注意していただきたいと思います。

  • 注意点1:「空室リスク」と「家賃下落リスク」への対策は万全か?
    これが不動産投資における最大のリスクと言っても過言ではありません。入居者がいなければ家賃収入はゼロになり、ローンの返済だけが残ります。また、周辺環境の変化や建物の老朽化により、家賃が下落する可能性もあります。
    • 対策例: 立地選びの徹底(駅からの距離、周辺施設、将来性など)、魅力的な物件づくり(リフォーム、設備充実など)、信頼できる管理会社の選定、家賃保証システムの検討など。
  • 注意点2:「節税目的」だけで飛びつかない!
    確かに不動産投資は減価償却費の計上などで節税効果が期待できますが、それはあくまで副次的な効果です。節税額以上にキャッシュフローが悪化したり、将来的に大きな損失を出したりしては本末転倒です。
    • 対策例: 「節税ありき」ではなく、「投資として成り立つか(キャッシュフローはプラスか、将来性はあるか)」を最優先に判断する。税理士などの専門家にも相談し、トータルでの収支をシミュレーションする。
  • 注意点3:安易な「高利回り物件」には要注意!
    「利回り〇〇%!」といった謳い文句に目を奪われがちですが、高利回りにはそれなりの理由(リスク)が潜んでいることが少なくありません。
    • 対策例: 表面利回りだけでなく、経費を差し引いた実質利回りを確認する。物件の状態(築年数、修繕履歴など)、入居状況、周辺の賃貸需要などを徹底的に調査する。
  • 注意点4:「流動性リスク」を理解しておく!
    不動産は株式などと比べて、すぐに現金化しにくいという特徴があります(流動性が低い)。急にお金が必要になった場合に、希望する価格やタイミングで売却できない可能性があります。
    • 対策例: 不動産投資に充てる資金は、当面使う予定のない余裕資金で行う。売却しやすい物件(立地が良い、需要が高いなど)を選ぶ。
  • 注意点5:社長個人の「信用力」と会社の「財務」への影響も考慮!
    不動産投資ローンを組む際、社長個人の信用力が審査に影響します。また、個人名義の不動産であっても、その収支状況や借入状況が、会社の融資審査に間接的に影響を与える可能性もゼロではありません。
    • 対策例: 総合資産戦略の観点から、個人と会社の資産・負債のバランスを考慮する。無理のない借入計画を立てる。

これらの注意点をしっかりと理解し、対策を講じることが、不動産投資で成功するための鍵となります。

不動産投資も「総合資産戦略」の一部として捉える!

不動産投資は、それ単独で考えるのではなく、社長個人の資産形成全体、そして会社の財務戦略との関連性の中で、その位置づけや目的を明確にすることが重要です。

  • 社長個人のライフプランとの整合性: 老後資金のためか、相続対策のためか、インフレ対策のためか?
  • 他の資産(金融資産、保険など)とのバランス: ポートフォリオ全体でリスク分散が図れているか?
  • 会社の事業とのシナジー: 例えば、自社で利用する事務所や店舗を所有する、従業員向けの社宅として活用するなど。

私たち総合資産戦略コンサルタントは、単に「儲かる不動産」を紹介するのではなく、社長と会社の将来を見据えた上で、不動産投資が本当に有効な手段となるのか、どのような形で取り組むべきなのかを、中立的な立場からアドバイスさせていただきます。

まとめ:不動産投資は「情報収集」と「専門家の活用」が成功の鍵!

不動産投資は、社長の資産を守りながら増やしていくための有効な選択肢の一つとなり得ます。しかし、その一方で様々なリスクも存在し、専門的な知識も必要とされます。

「自分にもできるかもしれない!」と感じられた社長様、まずは信頼できる情報源からしっかりと情報収集を始めることからスタートしましょう。そして、実際に検討を進める際には、不動産業者だけでなく、税理士や私たちのような総合資産戦略コンサルタントといった、複数の専門家の意見を聞きながら、慎重に判断することを強くおすすめします。

社長の大切な資産を最大限に活かすために、不動産投資という選択肢も視野に入れ、より豊かな未来を築いていきましょう。

-社長個人の資産